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2021.05.27 2021/05/19  THLツーコイン「左心耳の治療戦略」

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東京ハートラボ0期生 奈良県総合医療センター 循環器内科 松林 和磨

2021年5月19日 THLツーコイン 左心耳の治療戦略が開催されました。 トップバッターの原先生から、 抗凝固薬であるDOACは非常に良い薬ではあるものの年間2- 3%の大出血が報告されており、それは年々増加していくため、 ウオッチマンを導入する価値が高いという解説がされました。 続いて田中先生に心エコーによる左心耳血栓の診断から治療戦略立 て方についてお話しいただきました。 またWATHCMAN手技中の経食道心エコー(TEE) では明瞭なviewを描出することと左心耳の軸を画像の軸と一致 させるメリットについてもご解説いただきました。 松本先生からは経皮的左心耳閉鎖術の標準的な方法を詳細に提示し ていただき、 未実施施設にいる参加者にもしっかり理解することができました。

さらに、 阿佐美先生からは腹臥位の造影CTで左心耳を造影剤で満たすコツ 、さらには構築画像をスケスケ(スケルトン)にすることでより、 Septal puncture siteやSheathの種類を決めやすくなることを症例を交え て教えていただきました。 数多く効率的に実施するための新たな視点に納得できました。
伊藤先生からは外科的左心耳閉鎖術のレクチャーでした。 外科的には縫合やクリップによるいくつかの閉鎖法があり、 そのそれぞれについて術中動画を供覧していただきました。 外科的左心耳閉鎖術単独なら4日で退院できることに驚き、 特にWATCHMANが適用困難な症例には、 外科的閉鎖術を検討すべきだと思いました。

最後の総合討論では経皮的左心耳閉鎖術がなかなか浸透していない 現状についてディスカッションがなされました。 浸透を妨げるカベの1つに術後一定期間の抗凝固薬が必要であるこ とが挙げられ、 施設によっては術前術後の経食道心エコーが患者さんの負担になる 場合があることもカベになりうるとのこと。今後、 この治療を患者さんに広く活用するためには、 さらなるデータの蓄積やデバイスの進化が必要なこと、 このようなレクチャーやディスカッションを通じて、 治療の有用性ややり方を提案していく必要があるという意見を共有 しました。最後に心房細動に始まる左心耳の治療には、 脳梗塞も脳出血考慮した、 抗凝固薬と左心耳閉鎖術でバランスの取れた戦略を選択すべきこと がよくわかりました。まだまだ未知の領域で、 次はディスカッションに参加してみようと思いました。
講師の先生方、どうもありがとうございました。

当日の講演のダイジェスト版はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=mEJxRwD2nB0
全編はオンデマンド有料配信しております。<https://vimeo.com/ondemand/tokyoheartlab/553182738>[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]

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